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拉致被害者の一刻も早い救出を!名古屋からも救出運動の支援の輪を広げていきましょう。 ここは「名古屋ブルーリボンの会」の公式ブログです。
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 「神様は南朝鮮にしか存在しないのですか?」

「神様は豊かな国にしか存在していないのですか?なぜ北朝鮮を放っておくんですか?」

 ソウルで妻の死を知らされた夫、ヨンスはやり場のない悲しみと怒りをぶつける。

 

 私達はニュースや新聞の報道、あらゆる媒体を通じて世界中のあらゆる国で飢え苦しんでいる子供達や戦火の中翻弄されながらも必死で生き延びている何の罪のない一般の人々を知っている。

 北朝鮮・・・私達はこの国のことをどれだけ知っているのであろう。金正日という独裁者政権の下、幼い頃から将軍様を日々讃える教育を施され、核兵器により日本始め世界中に脅威をもたらそうとして「テロ国家」「独裁国家」などと私達は非難している。

 しかしこれらだけが北朝鮮ではない。北朝鮮に住む大多数の人々は食糧が十分に行き渡らず、飢餓に苦しんでいる。少しでも逆らうと収容所へ連れて行かれ、そこでは軍人によって暴行・過酷な労働を強いられ、余りにも過酷な環境が故に死に絶える人も少なくない。

 こんな状況から逃れようと北朝鮮にはこれまでに多くの「脱北」を命懸けで行う人々がいるのである。

 「クロッシング」という作品は、そんな北朝鮮住民の「貧困」そして「脱北」という実情を詳細に描いたものである。

 

 北朝鮮の炭鉱の町に住む元サッカー選手のヨンスと妻・ヨンハ、そして息子のジュニの一家三人は貧しいながらも幸せに暮らしていた。しかしある日、妊娠中のヨンハが結核で倒れてしまう。風邪薬も容易に手に入りにくい北朝鮮では、薬を入手するには隣国の中国へ行くしかない。

 ヨンスは妻の病気を治す薬を手に入れようと、妻を息子のジュニに託し決死の覚悟で一人国境を越え中国へ向かう。中国で身分をひた隠し不法労働してお金を稼いでいたがやがて発覚、警察の取締りで再び無一文となったヨンスはブローカーに導かれて韓国へたどりつく。

 その頃、北朝鮮では夫の帰りを待ちわびていた妻・ヨンハが息を引き取る。孤児となった息子・ジュニは父を探しに国境の川を越え脱北を試みるが失敗、その時一緒に居た幼馴染の少女・ミソンと共に収容所に入れられてしまう。

 韓国のヨンスはすぐに息子探しを依頼し、別のブローカーによってジュニは中国の国境を越え、モンゴルへの脱出を果たしたとの報がもたらされ、ヨンスはジュニとの再会を果たすためにモンゴルへ向かおうとするが・・・。

 

 この作品における北朝鮮の人々の暮らし、収容所の様子、そして脱北の実情。これらはみな監督のキム・テギュン氏が三年にわたって実際の脱北者百人以上に出会い取材をし続けた体験が元になっている。メインスタッフにも複数の脱北者を加えているとのこと。

 監督は「クロッシング」について、北朝鮮のドキュメンタリー映像を観て、すぐ近くで、すぐに行けるに違いない所で起きている信じ難いことを知った時の恥ずかしさがこの作品を最後まで仕上げる為の原動力になった、とコメントしている。

 

 アフリカでは飢餓に苦しんでいる子供達がいる。中東では争いに巻き込まれながらも必死で生き延びている人々がいる。中国政府による弾圧に耐えている少数民族達がいる。北朝鮮にもたくさんの貧困、人権を無視した非情な体制によりヨンスとジュニのような家族が引き裂かれるような実情があるという現実に私達は目を背けてはならない。このような国に拉致された多くの罪のない日本人がいるだけに尚更である。

 

 エンドロールが流れる中、セピア色で作品の最初に出てくる炭鉱の町での暮らしのシーンが映し出される。ヨンスとジュニと子供達が満面の笑顔でサッカーを楽しんでいる。それを笑顔で見守っているヨンハやミソン、それに町の人々。皆本編では観られなかった心からの笑顔が観られる。これはヨンス一家が見た回想なのか。それともこの国で暮らす人々の希望なのか。それとも監督のメッセージなのか。それとも私達の願いなのか・・・。

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